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専門診療・CT内視鏡

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腹腔鏡下肝生検


しっかりと診断して、適切な治療をさせてあげたい、
でもおなかを開けてまでの検査で負担をかけたくない、という場合に
腹腔鏡を使った生検ならば小さい傷で検査が可能です。



犬や猫でも健康診断や病気の診断のためにおこなった血液検査で肝臓の数値の異常がみつかることが少なくありません。

しかし、肝臓の数値の高い理由を探すために超音波検査、レントゲン、CT検査など画像検査をしても診断がはっきりせずに、最終的に肝臓の組織を採取しないと診断が確定しないことがあります。

そんなときには開腹手術で肝臓の組織の採取をおこなうのですが、診断のためにおなかを開けることに抵抗があったり、動物に対する負担という点でもあまり実施できないのが実情でした。

開腹せずに細胞や組織を採取する方法としてエコーガイド下で細い針やツルーカット針で生検する方法がありますが、取れる組織の量が少ないため診断に限界があります。

 確定診断を下せないと適切な治療ができなくなり、病気の予後の見通しも立ちにくくなります。

腹腔鏡下生検とは

大きさ5㎜のトロッカーという筒を2か所ないし3か所設置し、腹腔鏡を使用して肝臓を観察しながら、複数の肝葉から組織片を採取することが可能です。
超音波ガイド下生検と比べて肝臓を肉眼的に観察することができます。

特徴

  • 腹腔鏡はカメラを使って実際に見ることができます。そのため肝臓の状態を確認できますので診断の助けになります。
  • ツルーカット生検よりも大きな組織片が採取できるため診断の精度が上がります。慢性肝炎の診断に特に有効です。
  • 傷が小さいため、痛みが少ないことも特徴の一つです。

腹腔鏡を用いた肝生検の適応

  • 理由のはっきりしない持続的な肝酵素の上昇
  • 肝リピドーシス、空胞性肝障害が疑われる場合
  • 銅関連性肝炎など品種特異性のある肝臓の病気が疑われる場合
  • 肝臓の腫大、あるいは肝臓が小さい場合
  • 治療効果の判定や病状の進行評価のため
腹腔鏡下肝生検のながれ
  1. 動物に麻酔をかけます。
  2. 動物を仰向けに保定します。
  3. 臍の下にカメラポートを設置し、最後肋骨と正中の中間あたりに生検用のポートを設置します。
  4. 生検用の鉗子を挿入し、目的とする肝臓の組織をつかんで生検します。
  5. 生検した部位からの出血がないことを確認して検査終了です。

3.トロッカーをカメラと生検用のポートとして設置したところです

検査後のキズです

腹腔鏡で見た実際の肝生検

●カメラで肝臓全体を観察します。
肝葉が重なって見えていない部分も鉗子を使用して、肝葉を持ち上げて観察します。
●採取する箇所を決めたら鉗子でつかみます。
●鉗子でつかんだ肝臓の組織を生検します。

代表的な犬の肝生検

銅蓄積性肝炎 ベトリントンテリア
銅関連性肝炎 ドーベルマン、ラブラドールレトリバー、ウェスティ、ダルメシアン
(そのほかの犬種でも最近は銅の関連した肝炎が多くみられるようになりました)
慢性肝炎 アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカ-スパニエル、イングリッシュスプリンガースパニエル
空胞性肝障害 ミニチュアシュナウザー、シェットランドシープドック
【銅関連性肝炎】
肝臓の細胞内に銅が蓄積して細胞がダメージを受けて壊死したり、炎症が起こる病気です。
ベドリントンテリア、ドーベルマン、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ラブラドールレトリバー、ダルメシアンが多いですが他の犬種でもみられます。遺伝的な素因が関係していると言われていますが近年では代表的な犬種以外でも見られることから食事との関連性も疑われるようになってきました。
 肝生検をして組織を採取し、ロダニン染色という銅の染色をすることで蓄積度合を評価して診断します。
 治療は銅キレート剤や食事制限、炎症を抑える薬の内服でおこないます。

肝臓の細胞内に銅が沈着している
(茶褐色に染まっている部分)