グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



専門診療・CT内視鏡

カテゴリイメージ


皮膚科


動物のかゆみを起こす皮膚病は大きく2つにわけられます。感染性のものとアレルギーです。

感染性

感染症の原因 細菌 / マラセチア / 疥癬 / ニキビダニ / 皮膚糸状菌
それぞれが引き起こす皮膚病として下記のようなものがあります。

膿皮症

皮膚の細菌感染です。コアグラーゼ陽性ブドウ球菌という皮膚にもともといる細菌が原因です。もともといるはずの菌が感染してしまった理由ははっきりしませんが何らかの皮膚のバリア機能が低下している可能性があり、ほかの皮膚病が一緒に合併している場合があります。

マラセチア性皮膚炎

マラセチアという酵母が原因です。脂を好む酵母なので脂っぽい体質の犬に多くみられ、特に脂がたまりやすい、脇の下や股など皺になりやすい部分に皮膚症状が出やすいです。脂がたまりやすい原因としてアレルギーや甲状腺の病気が隠れていたりすることがあります。

疥癬

疥癬というダニによる皮膚病で、激しいかゆみを伴います。感染して数週間で症状が出やすいので他の動物との接触があったあとにみられたりします。

ニキビダニ

ニキビダニという毛包内にいるダニによって引き起こされる皮膚病で若齢であったり、老齢で内分泌疾患などほかの病気が潜んでいたりします。

検査方法

感染性の原因を次のような検査でみつけていきます。もし感染性の原因がみつかったらそれを治療してかゆみが改善されるかどうかを検討し、あまり改善がみられなければアレルギーの可能性がでてきます。
皮膚掻把試験 疥癬、ニキビダニを探します。皮膚の表面をかきとって顕微鏡で見て調べます。
テープストリッピング 皮膚表面の細菌やマラセチアを探します。テープを皮膚に押し付けてそれを顕微鏡で観察します。
真菌培養検査 毛を材料として培養検査をおこないます。もし皮膚糸状菌(真菌)が居たら培地が赤く変色します。

アレルギー

アレルギーの種類 ノミアレルギー / 食物アレルギー / アトピー性皮膚炎
アレルギーには大きく分けて次のようなものがあります。

ノミアレルギー

ノミの吸血によりノミの唾液が体内に入ってアレルギーを起こすものです。

食物アレルギー

食事に含まれるタンパクに対する過敏症で左右対称に顔面や外耳や体にかゆみがみられるものです。

アトピー性皮膚炎

ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに対して免疫が過剰に反応して起こるものです。遺伝的体質を持っていたり、皮膚のバリアー機能が弱かったりすると起こりやすいです。
かゆみの症状は1年中出ていますか?季節的なものでしょうか?犬にアレルギー反応を起こす可能性のある物質は、人にアレルギーを起こす物質とほとんど同じです。
これらの原因物質(アレルゲン)の中には、ある種の花粉など季節性のあるものもあります。そのため、アレルギーを診断するためには、症状の出る時期を見極めることが重要です。また食物アレルギーであれば食事療法のみで治る見込みがありますのでアレルゲンを探してみる意義が十分あります。

アレルギー(アレルゲン)検査

犬や猫のアレルギー検査は、血液検査が主流となっています。
これは「特異的IgE抗体値検査」と呼ばれるもので、特定のアレルゲンと反応する抗体(IgE)の量を調べます。ダニやカビ、花粉などの生活環境の中で触れることのあるアレルゲンを調べます。食物アレルギーに関しては20~30%しか関与していませんので症状から食物アレルギーを疑う場合にはリンパ球反応試験を先におこなうべきです。
リンパ球反応検査とは食物アレルギー用の検査でこれは、食物アレルゲンに対して異常に増殖する細胞(リンパ球)が血液中に存在するかどうかを調べます。このリンパ球のおおよそ70~80%が食物アレルギーに関与しています。
これらの検査で、例えば[ 牛肉 ]に対する値が高く、しかもはっきりとした症状が出ている場合、「牛肉がアレルゲンかもしれない」と考えることができます。
測定できるアレルゲン
主要食物アレルゲン 牛肉、豚肉、 鶏肉、 卵白、卵黄、牛乳、小麦、大豆、トウモロコシ
節足動物 ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、ノミ、蚊、ゴキブリ
雑草 ヨモギ、オオブタクサ、アキノキリンソウ、タンポポ、フランスギク
樹木 スギ、シラカンバ、ハンノキ
牧草 カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ホソムギ、ギョウギシバ
カビ アスペルギルス、アルテリナリア、クラドスポリウム、ペニシリウム
これらの検査で陽性に出た項目があればその食事を1~2ヵ月与えないようにしてかゆみの症状が改善されるようであれば食物アレルギーが疑われ、陽性になった食事を食べてかゆみが再発すれば食物アレルギーと診断されます。

もしかゆみの症状がよくならなければアトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、生涯にわたり問題となる病気であり、根本的な治療は難しい病気だといえます。しかし、症状をコントロールすることで、快適な生活を送ることはできます。

スキンケア

シャンプー
アレルゲンは犬の皮膚を通して吸収されることがわかっています。そこで、少なくとも週に1回シャンプーを行うことで、問題となるアレルゲンを除去することにつながります。症状に応じて、低刺激性シャンプーや保湿リンス、薬用シャンプーなどを選んで使用すれば、効果が高くなります。またアトピー性皮膚炎では角質バリアー機能不全が原因のひとつとされていますので最近ではそのバリアーを作ってあげるためにセラミドなど皮膚の成分が配合されたものも使用されています。

二次感染の予防

アレルギー反応による炎症で弱くなった皮膚には、二次的に細菌が増えやすく、症状が悪化してしまいます。この症状を緩和・予防するために、抗生物質を使用して、皮膚にいる細菌の数を減らします。 また、殺菌効果のある薬用シャンプーを使用するのも効果的です。

環境のコントロール

アレルゲンを少なくするために、カビ・ハウスダストマイトが繁殖しにくいようにしましょう
  • 防ダニ、防カビの製品を利用する
  • 空気清浄器の使用やサイクロン式掃除機の使用する
  • 高温多湿を避けて除湿器を使用する

お薬による治療

ステロイド ステロイド(副腎皮質ホルモン)は、炎症や痒みを抑えてくれるお薬です。
飲み薬と塗り薬がありますが、全身的に投与する飲み薬は、その副作用についても考慮して慎重に使用します。
局所的に使用する塗り薬は、痒みを抑えることで動物が快適に生活できるという良い効果が期待できます。
シクロスポリン アレルギー反応を抑制する薬でステロイドより副作用が少ないというメリットがあります。即効性はありませんが併用することでステロイドの投与量を減らすことが期待できます。有効性は約70%ぐらいです。
抗ヒスタミン薬 炎症の原因となるヒスタミンという物質の働きを抑えるお薬です。副作用がほとんどありませんが単独ではかゆみを抑える効果が弱いためステロイドやシクロスポリンと併用して使用します。
インターフェロン療法 間違って働いている免疫を調整する働きがあり、もともと体の中にある成分でつくられているため副作用がほとんどありません。有効性は約70%ぐらいです。注射による治療のため通院が必要で効果を発揮するまで時間がかかります。

減感作療法

問題となるアレルゲンに慣らしていき、過敏になっている犬の免疫システムを抑えていく治療法です。問題となっているアレルゲンを、最初はごく微量から徐々に量を多くして、回数を分けて注射します。治療への反応には時間がかかりますが、アレルギーをコントロールするのに有効な治療法です。